Loupe Holederica

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Ⅰ まえがき

 2015年7月25日に札幌レストランのやで、ヨコイマウと劇団コヨーテのうずまき宇宙でハイホーの公演が行われました。沼娘(ぬまっこ)のテルミン使いフェイターンさんのレコ発ライブ深怪電波音楽会も同時開催され、札幌の夏の夜が宇宙と深海へシームレスにつながりました。

 このお芝居は、ヨコイマウ脚本による漫画や詩ような世界で構成された音楽劇です。一般的な対話型の劇とは全く違う手法でテキストが書かれています。劇という視覚世界の中で、フィルターを通したような実体のないストーリーが展開されます。それは音楽を聴いたり、本や漫画を読み進める時にも似た二次元的な感覚かも知れません。手塚治虫の未来感や西岡兄妹のこころの旅、原マスミの縁起の悪いファンタジーや平沢進のつくる音の洪水などたくさんの好きをぐちゃぐちゃをかきまぜて、あふれ出たものをパッチワークした独特の世界観の中で、演者によって語られるいくつもの言葉と音楽は、平坦と極端の振れ幅を行き来するたちの悪いユーモアのうずまく宇宙。さて、ツボはどこにあったのか? 劇のように見えて劇ではないもの。その夜、新しい何かがグルグルと回りはじめました。

 さて、音楽なお芝居と銘打っての作品完成度はまだ発展途上ではありますが、一つの独自スタイルが見えた気がします。今回の経験を生かして、これからもユニークな作品を作っていきたいと思います。次回作はシュールで笑えないお笑い? そんなわけで、いつかまた会場でお会いしましょう。

 最後に、本公演で使用したシナリオに尺の都合で削除した要素を加え、新たに描き下ろしたオリジナルの挿絵と、曲のアレンジもまったく違うものに作り直した新バーションの歌と効果音で構成された、うずまき宇宙でハイホーWEB特別版を公開させていただきます。視覚と聴覚の外に、うずまき宇宙がぼんやりと浮かんでくると嬉しいです。

(ヨコイマウ)

鳥かごから飛び出すオウム▶